Chankgのガバガバ日記

ちゃんこがのモラトリアム備忘録です

好きなもの#007「ルポールのドラァグ・レース」

May the best woman win!

(最高の女性に勝利あれ!)

- Rupaul

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www.netflix.com

■Start your Engines

童顔です。

そのため、自分で言うのもなんですが割と女装が似合うところがあり、過去にはイベントで魔理沙のコスプレなんぞをしたことがあります。

霧雨魔理沙 (きりさめまりさ)とは【ピクシブ百科事典】

そんな私ですが、女装家(ドラァグクイーン)には思い入れがあるようになりました。それは今回ご紹介するドラァグレースが好きになったからです。 

 

■Drag race

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まずは簡単に、ドラァグクイーンについての説明から。

ドラァグクイーンは、男性が女性の姿で行うパフォーマンスの一種。

次にドラァグレースについての説明。

ル・ポールのドラァグ・レース は、アメリカ合衆国リアリティ番組ドラァグクイーン界のカリスマ、ル・ポールが主催する勝ち抜きコンテストで、アメリカズ・ネクスト・ドラァグ・スーパースターの称号と賞金10万ドルを目指し、クイーン達が様々な課題に挑戦する。

ドラァグクイーンの世界で食べていける人はほんの一握りで、その殆どが貧しい生活をしています。そのため彼女たちにとってはまさに人生をかけたレース。本気でたった一人のドラァグ・スーパースターを目指します。

 

■Challenge

ドラァグレースでは毎週クイーン達に課題(チャレンジ)が与えられます。その内容はドレス製作からコメディ、CMの作成まで多種多様。その中でクイーン達は自身の才能をアピールします。

審査員たちの評価点となる項目は以下です。

  • Beautiful

美しさはスターの素質の一つです。クイーン達のきらびやかで発想にあふれた衣装には毎回思わず息をのんでしまいます。まさに芸術。

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※一番美しいと思ったドレス。「人魚」をテーマに「原油にまみれてしまった人魚」のドレスを披露。

  • Uniqueness

スターは美しいだけではいけません。時には自らピエロとなり人を笑わせることも素質の一つです。

クイーン達の間で飛び交うジョークは知性に富んでおり、安心して見ていられる心地よさがあります。まぁ下ネタが多めなんですが。そこはご愛敬。

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ビバリーヒルズ青春白書のパロディを演じるクイーン達。

  • Charisma

そして最後にカリスマ性。人を引き付ける強烈な個性。誠実さや知性だけでなく、時にはいたずらをしてしまうような未完成さもまた、人を引き付ける魅力の一つです。

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※普段は天然キャラのクイーンなのですが、いざ舞台に立つと豹変し、まる悪魔が乗り移ったかのようなパフォーマンス。

 

■Lipsynch

壮絶なチャレンジを元に、その週の順位付けが行われます。そしてその週の下位2名がLipsynch(※)によるパフォーマンス対決を行います。

※Lipsynchとは要するに口パク。渡辺直美さんやはるな愛さんがよくやっているやつです。

対決の敗者はレースから去ります。つまり、負けるということは夢が破れるということ。そのため、このLipsynchはまさに人生をかけたパフォーマンスです。

自分の持てる技をすべて出し切るだけでなく、少しでもアピールしようと審査員席に乗り出したり、自分の衣装を破くなど、美しいクイーンたちの文字通り決死のパフォーマンスが行われます。

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※個人的なベストバウト、Season8の7週目。おもわず声を出してしまうくらいドラマチックだった。

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※壮絶な脱ぎ合い対決となったSeason3の12週目。

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※決死の勝負の末、敗者はただ去り行くのみ。もちろん目に涙を浮かべるクイーンも少なくないです。

 

■Drama

ドラァグレースは過酷です。

外部との接触は禁じられ、ほぼ監禁同様の生活の中で行われます。そんな中、度重なるチャレンジのプレッシャーと将来への不安が彼女たちを襲います。

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※無力感と極度の不安に押しつぶされ、パフォーマンスの途中で泣き崩れてしまうクイーン。

過酷な状況の中、お互いに励まし合い、悩みや過去のトラウマを打ち明け合い、心を通わせます。そして、最初はお互いをライバルとしか見ていなかった彼女達の中にも次第に仲間としての絆が生まれていきます。

そんな仲間同士だとしても、いつかは訪れる人生をかけたLipsynch。

なぜこの二人が戦わなければいけないのか。そう思わずにはいられません。

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※レースを通して親友となった2人の対決。パフォーマンスを続けながらも、お互いに泣き出してしまう。

 

■Family

ドラァグレースは家族のあり方について問いかけています。

今でこそ広く認知されるようになったLBGTですが、アメリカ都市部を離れるとまだまだその差別は根深く残っています。いじめを受け、親に見捨てられ、やっと見つけたゲイのコミュニティの中でも女っぽくて気持ち悪いという理由で仲間外れにされる。黒人だとなおさらです。

そして出場者たちもそれぞれ大きな傷を負っています。

親から捨てられた人、自殺しようとした人、両親に性交渉した相手の告白を強要された人、やっと見つけたゲイの仲間達からレイプされた人。それぞれがそれぞれの傷を負いながらも、このレースで夢を掴もうとしています。

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とあるクイーンは、自身のトラウマがフラッシュバックして突然泣き崩れます。

彼女は語りました。自身が幼いころ両親にバス停に置きざりにされ、二度と戻ってこなかったこと。自分にはもう帰る場所はなく、きっと誰にも愛されないんだと悟ってしまったこと。

そんな彼女に、ルポールは語りかけます。

自分の親を選ぶことはできないし、親から選んでもらうしかないの。

でも、ゲイである私たちでも、自分の家族は選ぶことができる。

自分の周りにいる人たちから、自分の家族を選ぶのよ。

私は家族よ。そしてここにいるみんなもあなたの家族なの。

ドラァグの世界にはドラァグ・マザーという文化があります。ドラァグを教えてくれた恩人を自分の母親としてドラァグ・マザーと呼びます。そして同じマザーの元に集まった仲間をシスターと呼び、芸名に同じファミリーネームを使います。そうして一つの家族として新しい人生を歩んでいきます。

これはゲイだけの話では無いと思っています。LBGTではなくても、親や兄弟、仲間たちに選んでもらえなかった人は世の中に多くいます。それでもきっと、自分の家族は自分で選ぶことができるのです。たとえ性別や戸籍が違っていても、自分が家族と呼べる誰かを選び、新しい人生を歩むことはできます。

家族とは何か。ドラァグという限られた世界だからこそ、そういった事を深く知ることができるのもこのレースの魅力だと感じています。

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※お互いをシスターと呼び合い、泣き出したクイーンのもとに集まるクイーンたち。しかしこのシスターズも、最後の一人になるまで戦い続けます。

 

■Amen!

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そろそろ締めます。

 

このドラァグレース、Season6以降であればNetflixで見れるので興味がわいた方はぜひ見てください。

ただし時を忘れる程度の能力は持っているので時間があるときにでも。

dic.pixiv.net