好きなもの#005「Magic:the gathering」
甲鱗のワームはまさに、氷河期の災厄の象徴だった。
― 「キイェルドー:氷の文明」
マジック:ザ・ギャザリング アルティメットマスターズ 日本語版 ブースターBOX(24パック入)
- 出版社/メーカー: Wizards of the Coast LLC
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■運命の扉/Door of Destinies
小学校まで1時間かけて登校していました。
Chankgの実家は田舎でバスも通っていっていなかったため、登下校はいつも徒歩でみっちり1時間。ですが、実は登下校自体はそこまで苦ではありませんでした。それは登下校班が一緒だった上級生の話がとても面白かったからです。話していた内容は全く覚えていませんが、会話していると1時間があっという間に過ぎていき、むしろ学校につくのが惜しく感じていました。年齢が上がり登下校班が離れてからも、近所に住んでいたため定期的に遊んでいました。次第に頻度は少なくなってしまいましたが、その親交は私が東京に出るまで続きました。
その方が幼少期のChankg家に与えた影響は大きく、Magic:the gatheringもその方がたまたまカードを私にくれたのがきっかけでした。最初はルールもややこしいしよくわからへんという気持ちが大きかったのですが、そのイラストや文字のフォント、独特のカード名などの雰囲気がおどろおどろしく、遊戯王よりもなんとなく大人な感じがしてカッコいいと思って兄弟と毎日遊んでいました。
しかしながら高校生にもなると部活動に勤しむようになり、なかなか遊ぶ機会も減ってきてしまい自然とMagicで遊ばなくなってしまいました。そこから10年くらいは全く音沙汰がなかったのですが、ここ最近になって色々なきっかけでまた始めなおし、今もまだ再熱し続けています。
再熱し続けている主な要因は、Magic:the gatheringが一つのコミュニケーション手段となり、様々な方との親交が増えたからです。
◼︎手に負えない若輩/Incorrigible Youths
カードゲームとはいっても、Magicのプレイヤーの8割は大学生~30歳前後の社会人です。残り2割はより年上の方が1割、高校生以下が1割といったところでしょうか。私と同じように再熱した同世代の方も結構多く、対戦を通して昔話に花が咲くことが多いです。私はよく通っている店舗は、移転前は駅から少し離れていてこじんまりとした店舗だったため、通うたびに顔見知りが増えていきました。Magicの話や昔話だけでなく、現在の職業や生活について話すことも次第に多くなり、自然と独特のコミュニティが形成されていきました。今でもよくボドゲ会開いたりしています。
面子は高校生から慶應大生や自衛隊員、上は40代まで。中でも、高校生と友人になれたことはすごいことだなと思っています。大学生ならまだしも、高校生と話す機会なんてそうないですしね。冷静に考えて干支が一緒って怖い。
最初こそ付き合いはたどたどしかった(忘れたけどさすがにそうだったと思う)のですが、日を追うごとになかなかパンチを効かせてくるようになり、気が付けばクソリプをぶつけてくるようになりました。
なんだァ・・・てめぇ・・・?
◼︎鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni
Magicは選択肢の幅が広く、ランダム要素も多いゲームです。そのため起きうる可能性を十分に検討していないと、1つの選択肢がミスにつながり、逆転を許してしまう場面があります。
そういうゲームだからこそ、Magicを通して相手の人となりが見えてくることがあります。以前、とあるイベントで私の対戦相手になった方は全身に入れ墨をしており多数の指輪にピアスにネックレスという鬼HIPHOPな方でした。
最初はビビっていたのですが、ゲームを進めるごとに「あ、この人めちゃくちゃ慎重な人だ」というのが見えてきて。将棋でいうと、私には飛車角落ちどころか、もう王しか残ってなかったのですが、万が一に万が一を重ねて歩だけでしか攻撃して来なかったんですね。それで興味が出た私は試合後にこちらから雑談をしてみると、すごく礼儀正しく物腰の柔らかい方だとわかりました。
さらに実は湘南乃風やfhanaのバックバンドをしている事、アーティスト界隈の文化の事、月の収入が安定しなくて困っている事などのお話を聞かせて頂きました。すごく楽しかった。Magicがなければ絶対起こらなかった出会いだと思います。また会いたい。
◼︎呉の水軍の将/Wu Admiral
Magic:the gatheringはアメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(Wizards of the Coast LLC)が販売しているカードゲームなので、世界的にみるとプレイヤーは英語圏の方も多く、たまーに外国人の方がふらっとショップに訪れることがあります。
以前、実際に私が遊んでいるときに来日したばかりの横須賀海軍常駐の外国人の方が来たことがあり、折角なので対戦でもしようという流れになりました。
※以下、ルール知らない方でもわかりやすいように書きます。
※正しくは《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》とこちらの使用デッキはトロンです。
対戦の中で外国人の方が「相手の赤のカードを捨てさせる」というカードをプレイしてきました。しかし、こちらにあるのは「黒のカード」のみ。実はこちらはほぼ全て黒のカードしか持っていなかったんですね。
次のターン、また外国人の方が同じカードをプレイし、もちろんハズレ。
「Oh~~!!」
その次のターン。また同じカードをプレイ。ハズレ。
「Oh No~~!!」
皆でめっちゃ笑いました。実は外国人の方は運悪く同じカードばかり手札に来てしまった模様で、後半はハズレが前提でウケ狙いで行動されていたようでした。
もちろん私含めみんなも英語が喋れないですし、相手も日本語を喋れません。しかし、お互いにMagicのルールは知っています。だからこそ、意図や笑いどころが伝わり、言葉ではないコミュニケーションが成立していました。
最後は「Good game!(いい試合だったね!)」と言いながら握手。とてもいい体験をしたなと今でも思います。
■突然の力/Sudden Strength
そろそろ締めます。
実際のところ特にMagicでないと実現しなかったという話ではないですが、自分にとってはきっかけになったのはMagicであり、続けていて本当に良かったなと思います。
カードの値段やマナーなど、とかく言われがちなMagicではありますが、楽しい事は対戦だけではなく、このような出来事もあるんだと皆様に感じていただけたら幸いです。
余談ですが、私のs(※話が長いため強制終了されました。ご了承下さい。)
■不可解な終焉/Baffling End
おしまい